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僕らはどこにも開かない
鎖の音がする。高校受験やら恋愛だかで辛苦を味わっている奴らを縛る、鎖の音。 世界という濁流の中に流れる様々な情報で、張りぼてでしかない見てくれを形成し、 それを正解だと信じ切っている奴らを縛る、鎖の音。 ―がちゃがちゃ、がちゃがちゃ。その音から逃げ出したくて、俺は―。 電撃が贈る衝撃の問題作、登場。
ぶっ飛んだ萌えキャラが登場するわけでもない。 加えて、ライトノベルだというのに挿絵すら一枚もはいっていない。 否、挿絵がはいっていないのではなく、挿絵を必要としないのだ。 いや、適した挿絵が見つからなかったのかもしれない。 ファンタジー要素は全く無いと言うのに、 ファンタジーを越えた奇抜さと魅力を持ち合わせている。 3人のキャラクターの視点を用いて語られるこのストーリーは、 一度ハマッたら最後まで止まることを許さない。 決して心が安らぐわけでも、気分が良くなるわけでもない。 道徳と言う道徳を完全に無視しながらも、完璧に、合理的に、物語は進行する。 ―――がちゃがちゃ、がちゃがちゃ。 その音から逃げ出したくて、俺は――。 著者の御影瑛路さんは、今回のこの作品が初。 別に、電撃ゲーム小説大賞で賞を取ったわけでもないけれど、 僕はこの作品を、過去最高の作品とします。 挿絵が無いので、そっちの方面に期待している方々は残念でしょうが、 この作品は、挿絵を必要としない位に面白いです。 普通のライトノベルというものに飽きてしまった方、必読です。
どのキャラクターが好きかと断言することは出来ません。 また、作品全体に、異様な雰囲気が漂っていて、どの部分を読んでも退屈しません。 しかし強いて言うならば、最後の決着シーンは最高に興奮します。
挿絵が無いというのも、この手の作品に明確な挿絵をつけてしまうと、 どうしても作品のイメージが偏ってしまうので、 挿絵なしという選択は正しかったように思えます。
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骨王 アンダーテイカーズ
憧れの従姉を殺された明良海翔は、 現場に残された血文字“BONEK”だけを手がかりに犯人を追う。 だが、それを境に彼を取り巻く日常は崩壊した。 街では「アキラカイトの喉を切り裂け!」と連呼するヒット曲『BORNKING』が流れ、 それに従う少女たちが異能の力を振るって海翔の命を狙う。 なぜ自分だけが狙われるのか? ―混乱する海翔は、この異常事態の連鎖から脱出できるのか。 第9回角川学園小説大賞“優秀賞”受賞作。
それによって生じた異能の存在との戦いによって崩壊していく日常を、 疾走感たっぷりに描き出した今作。 『あの』THORES柴本が挿絵を担当するということで、出版直前から話題になった。 憧れの従姉妹が何者かに惨殺されてしまった日を特異点として、 徐々に崩壊してゆく主人公、明良海翔の日常。 『アキラカイトの喉を切り裂け!』と連呼する大ヒット曲『BORN KING』に追い詰めれた彼は、 やがて"日常"の板子一枚下に広がる底なしの闇に引きずり込まれてゆく――。 なんとも要約しにくいストーリー筋を持っている今作は、 とにかく細部に凝らされたエンターテイメント的な仕掛けが面白い。 未知のウイルスによって異能の存在となった者たちとの戦い、というストーリー筋は、 正直言ってあまり目新しいものではない。 しかし、この作者はあえて『骨』にこだわってストーリーを重ねてゆく。 小説に使うファクターを限定することで話がとっ散らかるのを防ぎ、 さらにうそ寒くなるようなリアリティをプラス出来ているのは、 作者の緻密な計算が光るところだろう。 さらに面白いのは、彼が蝕まれた世界の真実を知るまでの前半は、 下手を打つとタラタラと疾走感を欠いてしまう危険があっただろう。 が、よく読んでみると作者はそこに巧妙な仕掛けを仕込んでいることに気がつくだろう。 つまり、大ヒット曲『BORN KING』のサビの部分で繰り返される 異常なメッセージに追い詰められてゆく主人公の、尋常ならざる恐怖。 それを丹念に書いてゆくことによって、 複合的にスリルを盛り上げるという工夫がなされているのだ。 しかし主人公の明良くんは恵まれない。 後半、主人公は惨殺されたはずの従姉妹(正確には従姉妹の顔をした化け物)を 自らの手にかけなくてはならなくなる。 感情の昂ぶりによって進行するウイルスの特性上、 本来彼らは泣いたり笑ったりすることができないのであるが、 明良海翔は警告を無視して叫ぶ。 『悲しいときに泣いちゃ悪いのか』。 何のことはない。 この小説に貫かれているのは大規模バイオハザードへの警告でも、 乱れまくる日本の若者に対しての怒りでもましてやサルの危険性および凶暴性でもなく、 自分の身を滅ぼそうとも泣いたり笑ったりせずにはいられない人間への賛美なのである。 父親との関係性しかり、 なにひとつ素の自分を見せてはくれなかった従姉妹への複雑な感情しかり、 生きるために感情を殺し他者を殺す自分の立場しかり。 心という不確かなものに翻弄されねばならぬ「人間」という青臭い生き物の姿を、 この小説はかなり遠まわしに賛美しているのである。 こういう作品は、私は嫌いではない。
作者である野村佳氏は去る二〇〇六年十一月二十一日に急逝された。 ソウル(魂)の強い人間は神様が近くに置きたがるために 早く天国に昇っていってしまうのだというが、まさにその通りだろう。 氏のご冥福を心の底からお祈りする。 そしていつの日か、氏が天国でこの物語の続きを披露してくれることを願う。
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舞-HiME
HiME能力―それは、世界でも12名の少女たちだけが持つ特殊な力。 その力は、少女たちの「大切なもの」と引き替えに与えられる…… 私立風華学園に転校したばかりの15歳の少女・鴇羽舞衣は、病を抱えた弟を救うために、 龍の姿をした不思議な存在、「迦具土」と契約して力を得た。 だが舞衣は知らない。自分が戦う相手が誰なのか。 そして、何と引き替えに、HiME能力を得たのかを…… 大人気TVアニメーションを、全2冊で完全小説化! 少女たちの恋と運命を賭けた戦いが始まる。
謎が深く、その謎が解明されていくのがとても楽しい作品です。 序盤におきた事が最後の最後まで関わっていて、読んでいると鳥肌がたってきます。 読み始めると気がつくと思いますが、視点が何度も切り替わります。 誰の視点なのかわかるようにキャラクターの名前が書かれてますが、 全キャラを把握するのは大変かもしれません。 しかし、視点が変わることによって解明する部分もあるのでなかなかいいです。 この作品『舞-HiME』は原作がアニメで、そのノベライズとして書かれた本です。 また、ゲームやマンガもでているのですが、それ(特にゲーム)と一緒に読むとさらに謎が深まり、 中身が濃くなっていきます。 マンガは少しエロいですが、 舞-HiMEシリーズ第2弾のアニメ『舞-乙HiME』にちょっと関わっています。 もちろんマンガだけでなく、小説もアニメも関わってます。 ちなみに舞-乙HiMEの方のノベライズはまだでてません。 なんか宣伝っぽくなりましたがこんな感じです。
僕はアニメを見ていたので大丈夫でしたが、 見てなかった人は読んでる途中で何度もキャラクター紹介を見ることになるかもしれません。 しかも先程も言ったように視点が何度も切り替わるので、 ごっちゃにならないように整理しながら読みましょう。
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