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ルナティック・ムーン
機械都市バベルの下に広がるスラムに、一人の少年がいた。 名を持たず、変異を持たず、見えるはずの無い“月”を空に探す少年……。 そして、少女がいた。 腕に変異を持ち、人類の“純血種”を守るために異形の生物達と戦うウェポンとして……。 世界が“混沌”に包まれて数百年――。 人類は前時代の遺産「過学」の庇護のもと、戦闘能力に長けた“変異種”と呼ばれる人々を管理し、 荒廃した大地で異形の生物の影に怯えて暮らしていた。 だが、やがて少年と少女が出会うとき、世界は静かに変革の扉を開き始める……。 期待の新人、遂にデビュー。
野に跋扈するケモノの脅威にさらされ、緩慢な滅びを突きつけられた人類。 彼らがそこで何を考え、どう行動するのか。 それらが非常にリアリティを持っていて、すぐに世界へと引き込まれます。 リアリティというのは、単に「現実のような」という意味ではありません。 そこにある人・物・概念が独自に存在し、生きているということです。 そしてこのルナティック・ムーンは、それらが非常に生き生きとしているのです。 主人公は物語冒頭、「名無し」と呼ばれ、そのことに自己不信と疑問を抱いています。 後に自分が「第四稀存種」であることを知り、「ルナ」という秘されていた自らの名を受け継ぎます。 それを受け止めるまでの葛藤、そして覚悟が、何よりも格好いいのです。 一方、ヒロインであるシオン=エシュは「灰被り魔女」と呼ばれ、 畏怖されながらもケモノと戦う戦士の一人です。 それは「人類のため」という大義ではなく、過去の凄惨なトラウマから来る行動で、 深く感情移入してしまいます。 少し余談になりますが、「灰被り」の意を持つ「シンデレラ」の話は、 誰もが知っていると思います(原話を知っている人は少数でしょうが)。 しかし、健気に生きてきた『だけ』で幸運を手にしたシンデレラとは違い、 シオンは常に『自分の意志』で進んでいます。 それが彼女の最大の魅力なのです。 そんな彼女を支えるレイン=リィン、稀存種であるフィオナ=レスファ、カロマイン=セク、 ロイド=オドなどは、それぞれが強い意志を持ち、それを貫こうとしています。 単純な善悪で計れない彼らの行動もまた、この作品の魅力です。 ストーリーにはいくつものギミックが詰め込まれており、 逆転・逆転・また逆転、といった楽しみがあります。 特にクライマックスとなる四・五巻はそれが顕著で、もう目を離すことができません。 全てを呑みこむラストは、圧巻としか言いようがありません。 また、技術面で言えば、まず第一に文章力の高さが上げられます。 これがデビュー作とは思えないほどの、高度な文章構成能力。 そこいらのプロなどよりもずっと洗練された文体は、読む者を圧倒します。 第二に挙げるとすれば、それはセンスの高さです。 「エデン」や「バベル」、「ウェポン」といった、読者にわかり易いチョイスをする一方、 「稀存種」や「特異器官」などのネーミング・センス、 そして各稀存種の能力などに垣間見られるセンスは、素直に尊敬できます。
とある書籍に「純粋であるとは無知と無思慮と欺瞞だ」と断言する魔王陛下がいらっしゃいますが、 彼女はまさにその「純粋」です。『天使』という通称も、さりげない暗示ですね。 天使は優しく、雅で、そして人々に平等である、ということです。 そんな彼女が一番好きですね。
どちらかと言えば小・中学生より高校生以上に向いている作品です。 もっとも、自分はそれが面白いと思う要因のひとつなのですが。
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ルーンロード
“魅力”が失われていく!!“変成棒”から言葉にならない痛みが走った。 目を開くと、両手の皮膚が地獄の業火に焼かれたみたいに乾き、ひびわれるのが見えた。 手首の血管が木の根のように浮きあがり、爪は白墨のようにもろくなった。 “これはうそよ、わたしがこんなに醜いはずがない” “変成棒”は“筋力”や“持久力”といった能力を人から人へ賦与することができる。 五人から筋力を賦与された者は、巨岩をも持ち上げ、 十人の“持久力”をもつものはどんな傷にも耐えられた。 さらに国を守るという誓約を認められ、 そのために必要な賦与を受けたものは、ルーン卿と呼ばれた――。 南方の諸国を次々と制圧し、民衆から数万の賦与を吸い上げた、 希代の超人・大王アーテンが、ついに北方の国々にその牙を向けた! 数十の賦与を受けた“無敵戦士”や、炎をあやつる炎紡ぎ、 氷原巨人などの異種族を率いた大王軍に、北の国々は対抗することができるのか!? 驚愕のスケールで描く英雄ファンタジー戦記、ついに開幕。
この本は米国産の王道ファンタジーですが、定番のエルフやドワーフは一切出てきません。 あとこの小説は敵味方魅力的です! (ここポイント!) そして最大の魅力は、『贈与』です! これは変成棒(フォーシブル)と呼ばれる棒に魔法を唱えると、 相手から能力を転移すると言う特殊な魔法です。 能力を贈与された者を『ルーンロード』といい、 彼らは贈与された分だけとんでもない力を得られます。 しかし贈与したものは能力を失うために、重い障害を得てしまいます。 賢知(記憶力)を与えるとばかになったり、筋力や品格(筋肉を収縮、弛緩させる)を与えると、 心臓が止まったりするなど。 それに彼らが死ぬと能力が消えるため、贈与された者は彼らを保護せざるをえません。
あとはボレンソン! 彼はとりあえず葛藤します! がんばれと応援してました(苦笑 あとはまちまち。
値段だけなら、1,2巻上下だけで一万円飛びます!(図書館などで借りることを強くすすめます) 内容の方ですが、わたしは情景描写などが言うほど好きでないんですが、 序盤からけっこう多く、なかなか話が進まずいらいらしました。 さらに造語が多いのですが、ほとんど消化できてませんし、説明がいまいちです。 キャラなども多いのですが、いまいちだれだったか覚えきれてません。 まああとは普通なので、それらを踏まえてお読みください。
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