| ↑目次へ戻る |
そして花嫁は恋を知る
突然の結婚を言い渡された、ブラーナ帝国の皇女エイレーネ。 相手は隣国ファスティマの若き王アルファディルだという。 十五歳にもなれば覚悟はしていた政略結婚だが、まさか言葉も宗教も違う国だなんて……! けれど、少なくとも、皇后にいじめられる毎日からは解放されると思ったエイレーネは海を渡る。 せつなく胸をしめつけるような恋と、思いがけない運命が待っているとも知らずに―。
祖国の命運・政略結婚・継母によるいじめ・陰謀。 これらの言葉についそそられてしまう方には一押しのラノベです。 つい最近シリーズ化したのですが、世界観は変わらないまま、 一冊ごとに別の時代の物語が書かれています。 現在は一巻と二巻が発売中ですが、この二作品のあいだだけでも五百年の月日が流れています。 これから発売予定の三巻では、一巻より五百年遡った時代の話が書かれるとか。 時代に合わせて世界が変容しているため、 それぞれの巻を付き合わせていくことでより楽しめるシリーズとなっています。 内容はタイトルが示すとおり、 主人公たる「花嫁」が様々な苦難や試練を乗り越えて恋に目覚めていくというストーリーです。 そのあいだには当然多くの障害があり、宗教や各国の価値観、戦争やお家騒動など、 恋愛モノにはつきものの要素がバランスよく組み込まれています。 また文章がとても読みやすいのも特徴です。 文字数は決して多くないのに、わかりやすい表現や心理描写が用いられており、 読書を苦手とする人でもスムーズに物語に入り込むことができます。 異世界ファンタジーで恋愛を楽しみたいと思う人にはぜひお薦めしたい作品です。
世継ぎの皇女である彼女は、侵攻の危機にある祖国のために援軍を求めて旅立ちます。 それだけでも大変なのに、援軍を頼みに行った国でお家騒動に巻き込まれ、 公子との恋に翻弄され、あわや殺されかけるという…… それでも国のために頑張ろうとする彼女の姿が、とても格好良くて惚れてしまいます。
甘ーいシーンは少ないのですが、女子中高生を意識したレーベルなので、 男性が読むには面映ゆくてつらい部分があると思います。
|
|||||||||
空ノ鐘の響く惑星で
青猫さん(女性・14歳)一押し!
毎年、ある季節になると、空から鐘に似た音が降ってくる世界。 『御柱』と呼ばれる宙に浮く巨大な柱がある世界。 そんな世界に生じたひとつの噂話―。 “深夜をまわる頃、『御柱』の一部に、若い女の姿が浮く―” 事実を確かめに行ったフェリオの前に現われたのは、 御柱の中に浮かぶ異装の少女の姿だった―― 一人の少年と少女の出会いが歴史を創る……! 『陰陽ノ京』、『パラサイトムーン』の渡瀬草一郎が、 渾身の力で作り出す『世界』と『人々』が向かう先は――。 ●ぱんぷきんへっどさんの書評
小説を余り読んだ事なかった私でも読みやすかったです。 全12巻完結で、1巻〜12巻までで一つの長い物語になってます。 1巻で人気が出て長続きしたタイプではなく、初めから長編で綴るつもりで 書かれているストーリーらしいので、非常に読み応えがあり、 巻を進めるたびに惹きこまれて、早く次の巻を読みたくなってしまいます。 剣による熱いバトルや、 主人公とヒロイン二人の三角関係など魅力的な部分が多くある作品です。
序盤は、何考えてるのか良くわからない変なキャラでしたが、 中盤以降は、紳士的で、しっかりとした考えをもった良い奴だという事がわかります。 最終巻での活躍で、より一層このキャラが好きになりました。
最終巻のエピローグがしっかりできすぎてるところでしょうか。 以下ネタバレ含む。 従来の作品ではありがちな読み終わった後に読者の想像、妄想に任せそうな部分を しっかり作者が書いてしまっています。 いわゆるラストバトル後のダンジョン崩壊(実際は微妙に違うが)によって 行方不明になった主人公とヒロイン、という展開ながらちゃんと帰ってきますし、 フェリオ、ウルク、リセリナの三角関係の結果も、 はっきりと二人と結婚したという終わりになってます。 また、死んだはずのキャラが実は助けられていて生きていたり、 生き残った敵役がなんだか憎めない感じになったりと、大団円で終わっているのも、 ちょっと儚く悲しいエンディングが好きな私には、少しだけ不満だったりします。 ●アウトドア志向のインドア派さんの書評
読んで楽しいだけでなく、小説家を目指すなら見習うべきところが山盛りですゾ。
キャラ、世界観、ストーリーがうまくかみ合っているところにぞっこんです。
読めば魅力たっぷりなんですけどね。 ●青猫さんの書評
しっかりとした世界観、そして筆力を持っていることです。 主人公のフェリオが王子という設定。神殿騎士団。そして錬金術師。 オリジナル設定も満載でSF好きにはたまりません。 主人公のフェリオが段々と凛々しく成長していき、見ごたえがあります。 ウルクと恋心に気付いたリセリナとの三角関係も見所です。 とにかく一言いうなら見なければ損! おそらく小説を読むのが少し苦手な方でも入り込みやすい作品だと思います。 それほど完成度の高い作品です。
どこか神秘的な雰囲気を醸し出す魅惑のアルケミスト(錬金術師)。 フェリオをいつも助けるいい人で、戦闘シーンでも神殿騎士団相手に 「――灼かれろ」 と言い放ち、勝利するほど戦闘経験をお持ちなようです。 本当に謎の多い女性で、しかしそこも彼女の魅力の一つです。 これから彼女がどういう風に動くのか、とても楽しみなところです。
|
||||||||||||||
ソウルドロップの幽体研究
<生命と同じだけの価値ある物を盗む!> 怪盗か、殺し屋か “ペイパーカット”の目的は!? 天才女性歌手の追悼ライブで何かが起きる? <生命と同等の価値のある物を盗む>奇妙な予告状が届いた高級ホテルの一室で、 強大な権力を持つ老人の影武者が殺害された。 そして、厳重な警備の中、なぜかキャンディがひとつ失くなっていた。 サーカム保険の調査員(オプ)伊佐俊一(いさしゅんいち)と千条雅人(せんじょうまさと)は、 “ペイパーカット”の仕業(しわざ)と認定。 傍目(はため)にはどうでもいいとしか思えない物を盗み、同時にその人の命を奪う・・・ 謎の怪盗を追う二人は、同じ予告状が届いた巨大ホールへ向かう。 五日後に開かれる天才女性歌手の追悼ライブで怪盗が何を起こすのか!? <著者のことば> あなたの“生命と同じくらい大切なもの”はなんだろうか? 自分で重要だと思うものは実は大したことなくて、普段は無視しているものが真に貴重だったり、 生命は地球より重いというけれど、簡単に失われてしまったりもして・ 人の意志は紙切れ(ペイパーカット)一枚の重さもないときもあるし、 人の心の価値というものは、実際どのくらいのものなのだろうか…… という訳で、これはそのことを疑問に思う何者かについての物語である。 その研究者と、求めるものを未(いま)だ知らぬ男と、心をなくした人形と、未来を想えぬ者と、 夢を失った者たちと・生命と同等の価値ある物(キャビネツセンス)を巡る、 これは喪(うしな)われた歌についての物語・ そして誰にも奪えぬはずの宝を盗む“怪盗”の……。
上遠野浩平ファンなら知っていると思うけれど、この人の作風には一つ、 ファンタジーやらSFやらが入っていて、そのうえにミステリー的要素を盛り込んでいると言う特徴がある。 ファンタジーに関連しないミステリー的要素、と言うものが入っている。 キャビネッセンスと呼ばれる概念がこの物語には登場するが、 物語を読んでもひどく曖昧で漠然としている。 そこが何だか不可思議な感覚をより強めていると思う。 次にキャラクターの性格か。 どれも他の作品のものにあんまり該当させることが出来ない。 二巻から三巻で少々、最近の風潮への意識が現れているが、 それでも余りあるオリジナリティを感じさせる。 暗い作風のように思っている人が多いかもしれないけれど、 何処かすっきりとした終わりを見せてくれているのが、自分にはとても心地よいものだった。 伏線の張り方もとても上手かった。題名の伏線の回収の仕方が非常に美しい。 最初に出ていたものが回収だと思っていると、 最後の方で本当の回収が行われると言うのがとても感動した。 作品自体について言うなら、これも贔屓目で言っているかも知れないが、やはりかっこいい。 上遠野浩平の作品のどれにも共通することだが、物語にも登場人物にもかっこよさが滲み出ている。 だらしないような、虚無的なような、しかしどの人物にも非常に心があるところがとてもいい。 愛がある、と言うのか。何処か温もりを持っていて、もし、実在したのなら、こうなりたいと思える、 そんなかっこよさのある登場人物が物語に配置されている。
そのくせどの行動も、上で書いたが、 何処かで人間を助けるような行動になっているというのが少々奇妙でかっこいい。
強いて言うなら、人によっては暗い物語に勘違いしてしまうかもしれない所が少々哀しい。 これは読者の問題かもしれないが。
|
|||||||||
ダークエルフの口づけ
“ダークエルフの口づけ―それは、死の宣告。” 少年アマデオは、ダークエルフの一味に村を襲われ、親類友人を惨殺されてしまう。 そして少年自身も追い詰められ、死を覚悟する。 そのとき現れ、彼を救ったのは、美しいエルフの女性ベラだった。 数年後、青年に成長したアマデオは、ベラの下で警備兵となっていた。 ベラの役職は国の最重要施設の保安主任。 だが彼女の正体は、ダークエルフの里から送り込まれた密偵だった―! 舞台は、暗黒神信仰が認められ、ダークエルフに市民権が与えられた国、「混沌の王国」ファンドリア。 闇よりも深い、ダークエルフの心の裡を炙り出す、待望の新シリーズ開幕。
と、いきなり小難しそうな単語ばかり出てきましたが―― ソード・ワールドとは、90年代前半を席巻したグループSNEのTRPGのこと。 (テーブルトークRPG:昔はコンピュータを使わずに紙と鉛筆と即興で遊んだのです) また、シェアド・ワールド・ノベルとは、 同じファンタジー世界を複数の作家で共有して書かれるオムニバス小説のことです。 グループSNEの有名シリーズと言えば、<魔法戦士リウイ>シリーズや <ロードス島戦記>シリーズなどがあり、 またソード・ワールドも山本弘さんの<サーラの冒険>シリーズが高い評価を得ています。 皆さんもそれらのシリーズの名前ぐらいは耳にしたことがあるんじゃないでしょうか? もっとも、今となってはこれらシリーズも、一部の好事家が手に取るぐらいのものとなり、 あまり話題にはならなくなっていました。 が。そんな状況にあって、ライトノベルの熱心な読者の間で、 2007年ころじわじわと話題を呼んでいたのが本作――、<ダークエルフの口づけ>シリーズです。 ソードワールドと言えば、勧善懲悪といった話が主流であり、コメディ色も強かったのですが、 本シリーズは――美しくも妖しく、さらに最重要施設の保安主任でもあり、 暗黒神側の密偵でもあるダークエルフのベラを中心に書かれていることもあり、 優れたスパイ小説としての読み応えがあります。 また、第一巻はわりと分かりやすいストーリーになっていますが、 第二巻以降は、すべての登場人物が腹に一物を持っているため、誰が何を企んでいるのか、 誰に利用されているのか、あるいは誰を騙しているのか、そして誰が殺され、誰が生き残るのか―― といったコンゲームの様相も呈してきます。 もちろん、複雑な人間関係が相互に絡み合い、上質なドラマにもなっています。 富士見ファンタジア文庫は、中高生向けの分かりやすいファンタジーをラインアップにしていますが、 本作は玄人筋の読者の審美眼にも十分に耐えうる良質な作品だと言えます。
しかし、その一途さが、時にベラの闇の部分によって傷つけられ、 それでも信じようともがき、苦しみ――、若き熱血漢として少しずつ物語の核心へと迫っていきます。 最後に彼が見たものは、果たして幸福だったのか、それとも絶望だったのか。 あるいは新しい旅立ちなのか、復讐なのか――、 彼の出自と今後の動向、何より彼に恋する小さなお姫さまエビータの存在も含めて、 次の第二部の幕開けが楽しみです。
ライトノベルを専門的に読む玄人筋からは絶賛されつつも、二年もの間、 ほとんどの読者の間で話題にならなかったのは、この作品にいわゆる「萌え」の部分や、 読者に強烈にアピールするものがなかったからだとも指摘できます。 つまり、とても技量の高い作者が記した、上質の小説――、ライトノベルというより、 優れた海外のヤングアダルト作品とも言えるのではないでしょうか。 ただし、一度、この本を手に取ってしまったのならご注意を――、 二転三転するストーリーと複雑な人間関係に、ページをくくる手を止められなくなってしまいますから。 なお、現在、このシリーズは一〜四巻にて第一部を終了しています。 第二部は2008年の夏ごろでしょうか。本当に待ち遠しいです。
|
|||||||||
|
|
|||
|
eBOOK-OFFは日本全国から買取した本をきれいにして加工して、
定価よりずっと安く販売してくれている本屋さんです。 お金を節約してたくさん本を買いたい方にオススメです。 ![]() 中古で本の質はどうなの? まさか傷や汚れがひどいんじゃ…と不安な方へ。 所長のオンライン中古書店『eBOOK-OFF』体験談! |
| トップへ戻る |