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「魔法使い」にお願い?
あたし、水元頼子。私立円海学園2年生。 片桐先輩にあこがれて新聞部に入部したあたしは、その取材で、 20年間も封鎖されている学校の資料館に入ったんだけど―。 なんと、そこで、「魔法使い」のタロットカードに宿る大精霊に出会ってしまったの。 どうやら、あたしが「魔法使い」にかけられていた封印を破ってしまったらしいんだけど、 そのおかげで、あたしのまわりに次々ととんでもないことが起こりはじめたんだ。 ●朧紅疾風さんの書評
《運命のタロット》の各カードに封印された精霊とその協力者達。 彼らの繰り広げる《フェーデ》と称される勝負がこの作品の醍醐味です。 はじめはルールが定まった只の推理ゲームのようにも思えますが(勿論ファンタジー要素もあります)、 この作品の面白さはそんなものではありません。 まず一つ目。このシリーズには全編にわたって大掛かりかつ緻密な伏線が施されています。 しかも、それが幾つもあるのですからこれは脱帽するしかありません。 私見ですが、主人公タッグに関わる非常に大きな伏線(というか流れ)がまず2つ、 仲間内で+2つ、敵で+2(3?)、全体の流れとして+2、その他諸々…… と、ざっと挙げただけでこれだけあります。 しかも、それによって煩雑になってしまうのではなく、 全てが見事に絡み合い一つの物語を構成しているのです。10巻以上にとんだ伏線もあります。 時間移動など(制約有り)があるので物語の幅が広がっている、ということも確かにありますが、 それを差し置いても全体的に非常に素晴らしい構成であることは間違い在りません。 二つ目は、物語の孕むテーマです。 最初に述べた《フェーデ》と称される勝負に関わる中で、主人公は様々な経験をします。 しかしこのシリーズ、一つ一つの経験から得られる物の質、重さが半端じゃありません。 これもまた最初は気付かないものなのですが、 話が進む内にどんどん重くなっていく命、そして人(精霊)の思い。 “不条理な”運命を変える。“正しい”歴史を守る。 それぞれの思いを胸に繰り広げられる《フェーデ》は世界に対する問いかけでもあります。 因みに、シリーズが終わるまでにこれほどの変化、成長を遂げる主人公もそういないだろうと思います。 なにしろ、○○に○○……ネタバレは避けたいので何が起こるのかは伏せますが、 すごいことになりますよ(笑)。 最後に、キャラ造り及び世界観、設定の作り込み。 タロットの精霊及び時空移動等の能力、世界観の作り込みは半端ないです。 SF的要素も多分にあります。 説明される辺りはややだらだらしますが、これくらいないと納得できんだろうというレベルなので。 精霊及びその協力者は、よくぞここまで作ったな、という感じです。 軽く30人は越えてますからちょっと類を見ませんね。 キャラが被っていてもちゃんと理由がある辺りには脱帽……。 ダイナミックでスケールが大きいにも関わらず、 エンターテイメントとして世界がきちんと完結している点も素晴らしいと思います。
もう主人公とは腐れ縁を通り越した《運命》で繋がっているはず(言葉の綾では無いくらいに)。 あの口調と性格ははまったら抜けられませんね。 適切な表現ではありませんが、男性版ツンデレというのが一番近いかも……いや、どうかな……。 あと《女帝》も、あの凛とした強さが好きです。
シリーズ通して読めば本当に面白いだけに、最初がこれだと勿体ない。 巻が進むにつれて、徐々に直ってはきますが。 それと、説明部分がやや長い。 まあ長いシリーズなのでどこかに少々退屈な部分があるのも致し方ない気がします。 腰を据えて一気に読むのがおすすめですね。読んだ後、本当に心に残る物があります。 ●みゆきさんの書評
ファンタジーだと侮っちゃいけません。 とんでもない、これはSFであり(エセ)歴史小説です。 全22巻からなるのですが、その第一部は比較的少女小説です。恋愛模様もあります。 しかし、第二部。恋愛要素は減り、核やらソ連やら、物々しい単語が続出します。 さりげない伏線が山のようにしかれ、それがだんだんとまとめられていくさまは圧巻です。 とんでもないところに仕掛けられた伏線に、2度目に読むときはびっくりします。 なによりも、とにかく濃いキャラたちがいい! とんでもないやつらが、ものすごい能力で暴れまわる、ように、見えます。
自分勝手で頑固で他人のことを考えられない子だけれど、 だんだんと成長していくのは読んでいて楽しいです。
あと少女小説特有の文章が残っていて、慣れていない人は読みづらいかと思われます。
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みんな元気。
夜中に目ざめると、隣の姉が眠りながら浮かんでいた―。 あの日から本当に色んなことが起きた。 竜巻が私たちの町を襲い、妹の朝ちゃんは空飛ぶ一家に連れさられてしまう。 彼らは家族の交換に来たのだった(表題作)。 西暁町で繰り返される山火事と殺人の謎(「矢を止める五羽の梔鳥」)。 単行本『みんな元気。』から3篇をセレクト。
軽妙な一人称という語り口から紡ぎ出されるテーマは一貫して「愛」 一人称の語り口独特のトリックは物語を難解にし、かつ明瞭にする。 わかりやすく言えば、喫茶店で偶然後ろに座った、ちょっとブッ飛んだ女の子が 「わたしさぁ、この前・・・」と話し始めたとでも思ってください。 その子を通してみた、世界、自分を取り巻く物語、家族、恋。 空を飛び暴風雨に巻き込まれるように展開される悪夢を体験できます。
彼女なくしてこの物語は成立しない
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ムシウタ
「ねえ、あなたの夢を聞かせてくれない?」 人の夢を喰う代わり、寄生主に超常の力を与える“虫”が出現して10年。 薬屋大助は通学電車で少女・詩歌と出会い、強く惹かれあう。 だが詩歌は“虫憑き”を収容する国の極秘施設からの逃亡者だった。 特別環境保全事務局は最高のエージェントにして最強の虫憑き“かっこう”に出動を命じ、 容赦なく詩歌を追い詰めようとする! せつなく激しい想いが織りなす、夢みる者たちの聖夜の戦記。 ●アーモンドちぃこさんの書評
作者・岩井恭平さんの好きなもの(夢を思い描く人)と嫌いなもの(虫)を組み合わせた作品ですが、 素敵に合わさっています。 あなたの生き様に惚れました! ロンリーボーイ“かっこう”さん! (薬屋大助のほうが別冊「ムシウタ bug」では出番が多い気がしますが……、彼の紹介は不要!) 最強の虫憑きである“かっこう”は、誰よりも残酷で冷血だが、誰よりも優しい。 多くの虫憑きから夢を奪うが、本当の敵がその瞳に映っている。 誰からも畏怖され、周りから拒絶され周りを拒絶し、一人で前へと突き進む。 巻を重ねるごとに彼の思いが滲み出てきて、彼の理解者が増えていきます。 一巻について・“かっこう”、薬屋大助、“ふゆほたる”、詩歌、 この四つの名前がいろいろとややこしい関係になってます。 この名前の関係が一巻の山場ですから、 とあるネット書店の書籍紹介文にこのことについて触れてあったのを見て 「暴露してるなぁ」と少し悲しくなりました。 一巻で起きることは、後の出来事に大きく関わってくる重大事件です。 “かっこう”がサラッと言った言葉や行動も、 続編を読んでいくごとに「あぁ」と感慨深い感動詞が出ます。 最大の魅力・登場人物が輝いてます。 その人物の過去、今、“夢”、そして終焉、この四つの要素でその人物が支えられています。 様々な種類の過去がある。辛い経験だけじゃない、楽しいこともある。 いろんな形の今がある。 自分の夢を叶えるために頑張る、 社会から隔離された虫憑きの居場所を作ろうとする奮闘劇もある。 たくさんの“夢”がある。誇りを持てる夢もあれば、愛することができない最低な夢もある。 終焉は一つではない。 最後に自分の夢に気づく哀れな結末もあれば、 満足して死んでゆけるようなハッピーエンドだってある。 この小説の中に一つの人生が完成している。 そしてその人達はとても美しく、輝きを放っています。 登場人物全員が何かのために身を尽くし頑張っています。その人たちの生き様を見てください。
“かっこう”・理由はうえで述べたとおり、生き様に惚れました。 獅子堂戌子・六巻夢導く旅人、で登場する風変わりな女の子です。 輝かしい過去がある反面、不本意な今を過ごしている。 彼女は過去を何度も思い返しますが、まさに世界のため今を生きます。 彼女の“夢”、終焉を知るとさらに愛情が深まります。 ムシウタには「萌え」が存在しません。「美少女」という表現もわずかです。 なんというか、登場人物に真面目です。そんなところも好きです。
しかし、二巻、三巻、と巻を重ねるごとにいい作品になっていると思います。 一巻は我慢してください。 ●結城一さんの書評
特環に所属しひたすら´虫憑き´を狩り続ける´かっこう´。 ´虫憑き´の居場所を造るため、特環と戦う´レイディー・バード´。 そしてかつて´かっこう´により´欠落者´にされ、 薬屋大助との出会いで突然意識を取り戻した最強の´虫憑き´、´ふゆほたる´。 とりあえず一巻における主要キャラはこの三人ですが、 話が進むにつれどんどんキャラクターが増えます(しかも後になればなるほど個性的になっていく)。 それと一巻のあの展開はなかなか面白かったです。
´かっこう´のひた向きに夢を追い続ける姿も格好いいですし、ハルキヨの 「諦めるくらいなら、生きてんじゃねえ! ちっとばかしつれーことがあったくらいで、 諦めてんじゃねーよ! 誰に断って生きるのをやめてんだ! それがてめーの本気なのか? 本気出して生きてんのか? ああ? 一分一秒、髪の毛一本、手え抜いて生きるんじゃねーよ!」 という台詞には滅茶苦茶痺れました。 でも本編のハルキヨと短編のハルキヨって微妙なキャラが違うような……。
人によっては欠点と取れるかもしれません。 それとこれは欠点ではなく注意なのですが、一巻を楽しく読もうと思うのでしたら、 絶対に読む前に他の巻には目を通さないで下さい。 それをやると冗談抜きで楽しみが半減します。
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ムシウタ 8
“大喰い”との激戦により、自らの虫を暴走させてしまった “かっこう”こと薬屋大助は隔離施設を破壊、負傷しながらも脱出する。 二人の少女が営む“便利屋きらり”に保護された大助だが、 街は未知の“同化型の虫憑き”誕生を察知した特環・殲滅班の監視下にあった。 さらにその街からは奇妙なおまじない“コアトルヘッド”のブームが全国に広がりつつあり― それは、さまよう獣たちが取り戻す、最高で最悪のロスト・メモリーズ。
というよりも、これしか面白くないかも…… まあ、最後まで読んでみてください。 基本設定などの説明は随所でなされているので、8巻だけ読んでも楽しめると思います。
教師という役柄なんですが、よく内面が描かれていて、 ああ、そうかもしれないな、といった想像における共感が得られます。
キャラの口調の不自然さの二点が読みづらさを助長しています。 元々のキャラ数や、ファンタジーといったジャンルを考えれば至極当然なのですが……
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