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細音啓さん
第18回ファンタジア長編小説大賞・佳作 『イヴは夜明けに微笑んで』
審査員のコメント── 『ファンタジー小説らしいフレーバーが伝わってきました。 物語の「容れ物」が完璧に作られていて、雰囲気もいいし、キャラクターも立っている。 ただ有機的な絡み合いまではいかなかったし、名詠式も動かしきれていない点が残念でした』
ライトノベル作法研究所と相互リンクさせて頂いている細音 啓(さざね けい)です。 このたび、第18回ファンタジア長編小説大賞・佳作を受賞しましたのでご報告申し上げます。 掲示板等への書き込みは1,2度程度に控えておりましたが、 研究所の閲覧だけは一日も欠かしたことはありませんでした。(いや、ホントですよ(笑))。 これからも毎日こっそりと拝見させて頂こうと思ってます。 今まで本当にありがとうございました。 そして── これからも是非、よろしくお願い致します。 ライトノベル作法研究所がますます発展するよう心から願っています。
小学校五年生の終わりにフォーチュンクエストと出会い、小学校六年生にスレイヤーズに会いました。 どちらも、自分の中でかなり大きなウェイトを占めることになった作品だと思います。 ○初めて小説を書かれたのはいつですか? それはどのような作品でしたか? 他人に読ませることを意識して書き始めたのは大学一年生から。 作品は、超長大な物語の第一話。プロットは出来ているのだけど、公表するだけの機会がありませぬ ○作品はどのようなソフトを使って書かれていますか? あるいは手書きですか? 大学一年生の間は手書きで。 二年生の終わり頃にノートパソコンを手に入れ、そこから全てが変わりだしたのです。 使っているソフトは一太郎16、Wordは苦手です…… ○作品の書き方で(例:クライマックスを先に書くなど)、自分なりの書き方がありますか? プロローグをきっちり書く。そうするとやる気が出るので。 ○初めて作品を新人賞に応募されたのはいつですか? 大学一年生の頃かな。 手書きの作品を徹夜で仕上げて送ったのが、良くも悪くも自分の原点です。 ○スランプになった、もしくは作家になることを諦めようと思ったことはありますか? その時、どうやって対処したかも教えてください。 新しい作品のためのネタが思い浮かばなくなった時ならありますが、 作家を諦めようと思ったことは無いです。 自分の場合は、ゲームをやって気を紛らわせることかなぁ。 ○アマチュア時代に、参考になった本はありますか?(ハウツー本など) ハウツー本はありませんが、狙う新人賞の受賞作だけはチェックを怠らないように。 ○尊敬している作家さんはいますか? 秋田禎信先生。単語の使い方が独特なのと、地の文での表現力が魅力的かなと思います。 ○アマチュア時代に、どのような方法で筆力を高めていきましたか? 王道というか、当たり前すぎて恐縮ですが……ひたすら書くことが一番かと ○執筆は、いつもどのような時間帯にされていますか? 休日は午前中に4時間。夕方六時までにさらに三時間。深夜1時までに三時間、くらい。 午前中が勝負です。 ○一日の執筆速度は、どの位でしょうか? また、ノルマを作っていますか? 平日は原稿用紙3〜5枚。休日は字数換算で7500字以上。 ○どのような方法でプロットを作られていますか? 全部頭の中で。自分の脳メモリーは小説関連で常時埋まっちゃってます。 おかげで忘れ物をよくします。 ○作品を書く上で何か大事にしている、または心に留めていることはありますか? 綺麗な場面を、綺麗に描写したい。演出力とでも言うのかな。 そんなことを思ってる所存でございます。 ○「売れるものを書くべきか」、「書きたいものを書くべきか」、 答え辛い質問ではありますが 、もし良ければ意見を聞かせていただけませんか? どっちかの二択で答えなければならないなら──「書きたいものを書く」べきかと。 というか、僕がそうなだけかもしれないですが…… ○プロになれた理由を、ご自分ではどうお考えですか? 色々ありますが、一番核心的なことを言うと少し辛いものがあるので割愛(謎)。 明るいことを言うならば、自分の作品を客観視するのが大切かなと。 僕の場合は、友人に読ませて辛口で評価を受けていたことかもしれないです。 ○プロになって、一番嬉しかったことは何ですか? まだ親にも報告してないので……でも、ひとまず肩の力が抜けました。 ○最後に、これから細音さんに続け!と頑張っている方達にアドバイスをいただけませんか? 僕自身まだ何もしていないひよっ子で恐縮ですが…… やはり、自分が書きたいと思う物を書き続けてください。 書きたいものって必ずしも他人から認められるものばかりじゃないけど、 それを承知の上で、自分の世界観を大切にしてあげてください。 温め続けていれば、きっといつか卵は孵るものですから。 ●通りすがりの読み手さんの書評
自分が望んだ物をこの世に召喚する「名詠式」という技術(魔法)が世界にあるのですが、 この設定の作りこみがすごい。触媒、制約、理論。 ここまできちんと器を作り上げたライトノベルを久々に見ました。 そしてなにより、詠使いという名に相応しい、賛来歌(オラトリオ)という詠唱部分。 この作品の魅せのひとつですが、こと呪文詠唱という分野では、 この作品に勝てる詠唱をラノベ界では知りません。 作者の造語ということですが、これがあまりに美しい。 ライトノベル作家を目指す人で作中に呪文をと考えている人は、必見です。 そして、その名詠式を舞台に広がる物語が今作です。 プロローグの『約束』が、時を超え、世代すら超え、美しい旋律を伴って甦る。そんな物語です。 後半の怒涛の展開に息を呑み、最後の 『イヴは夜明けに微笑んで』――この部分は素直に、泣いてしまいました。 ネットで検索してもらえればわかりますが、刊行後一週間とたたず、 ネットの書評系サイトで驚異的な評価。 「ここ数年で最高の新人」・「2007年上半期の新人大賞、早くもノミネート」 という声すら広がってます。 わたしも、続編が最も心待ちな作品になりました。 これがラ研の先輩であることを、心のそこから誇りに思います。 せっかくのラ研出身者ということもあり、ラ研でぜひとも特集してほしいくらいです。
それに名詠の美しさ。 そして、なんといってもその『約束』が果たされるエピソードは誰が見ても、 胸にジンと来る切なさと愛しさがあります。
でもそれはむしろ、期待の方が大きいかな。 ▲ 目次へ |
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