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「総攻撃を仕掛けるには、明日の昼間が一番効果的かと」
主要人物が集まる軍議で、軍師が報告する。剣や槍を持った屈強な軍人が集まる中、堂々と発言する姿には自信が感じられる。 「平日の昼間か。なるほど、確かにそれは道理だな」 英雄と呼ばれる男であり、俺の親友でもあるズールが同意する。しかし、明日の昼間だと? 「まて、明日に総攻撃を仕掛けるのはかまわないが……お前は出撃するな」 そういうと、ズールは俺を正面に見据えはっきり言った。 「いや、俺が行かねば。軍の士気にも関わる。それに、俺がいればある程度の戦、乗り切ってみせる」 「だがな、明日は……」 「いいんだ。俺は、この国の英雄だ」 「全てを失うかもしれないんだぞ。英雄と自分自身、どっちを選ぶんだ」 ズールはしばらくの無言の後、語りだす。 「英雄ってのはな、強いものがなれるんじゃない。一つの為に他の全てを捨てることのできる、そんな大馬鹿が英雄って呼ばれるんだ」 その自信たっぷりな様子に、俺はもう何を言っても無駄だと悟った。 「……本当にお前は馬鹿だよ。ああ、大馬鹿だ」 結局、今日の軍議でズールを先頭にした隊により敵陣地を叩く作戦が決定された。 そして、翌日。作戦決行の時間になるのを、俺は教室の時計で確認した。今頃、ズールは敵陣地で奮闘しているのだろう。 オンランゲーム界の英雄ズール――もとい、池本は今学期で最も重要なテストをサボったのだった。 |